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熱中症による症状と障害。熱射病とは?

      2016/04/07

暑い夏に発症する代表的な病気に熱中症と熱射病があります。
健康な人が突然発症し、時には命を奪うこともあります。
image159[1]出典:https://www.asiabiomass.jp/topics/1208_05.html

また、熱中症や熱射病にかかり易い人、かかり難い人がいることをみなさんご存知でしょうか?
そのことを知るだけで、同じ環境下でも対処の仕方を変えることで、熱中症や熱射病を発症せずにすむ可能性が高くなります。

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熱中症と熱射病の違いは?

熱中症は、主に高温多湿の環境下で、自分自身で体温調節が聞かなくなり、吐き気やめまいをおこし、体温の上昇を伴うものを一般的にそう呼んでいます。
これに対して、熱射病は特に厳しい環境や強度の強い運動を行った場合に起こり非常に危険な状況を言います。

熱射病は生命にかかわる状態で、体温が異常に上がり、多くの臓器に機能障害が起こります。

熱射病の概要

どんな場合に熱射病は起こるのか?

•長時間にわたり運動した若いスポーツ選手や、暑い季節に冷房のない屋内で何日も過ごした高齢者などに発症する場合があります。

症状は?

•体温は40℃を超え、脳の機能障害が起こります。

緊急処置は?

•直ぐに体を冷やす必要があります。

熱射病の詳細

 

熱射病は、高温が原因で起こる非常に危険で重い病態です。他の熱中症よりはるかに危険でその主な違いは以下のとおりです。

•体温が40℃を超えます。
(40℃を超えている場合は、熱射病が発症していると考えて行動しましょう)
•脳機能障害の症状が出る場合があります。
(言葉の受け答えが難しくなることで判別できます)

熱射病は、極度の高温環境で体を動かしたり、閉め切った風通しの悪い暑い場所で長時間過ごしている場合に起こります。
たとえ、健康な若いスポーツ選手でも、特に高温多湿の環境に順応していない場合は、そのような環境で数時間激しい運動をすると起こります。
また、暑い季節に、換気が悪く冷房のない屋内に、何日もじっとしている高齢者などにも起こります。
以前、アメリカで、真夏に停電が発生した時に、治安のあまりよくない地域では、エアコンが動かない上に、防犯のためにドアを開けっぱなしにできず、数多くの高齢者が熱射病で死亡するという痛ましい事実がありました。

熱射病のメカニズム

熱射病は、非常に暑いときに体から熱をうまく放出できないために起こります。
体が体温を下げられないために、体温が急激に上昇し続け、危険なレベルにまで達します。体温を下げる役割を果たす発汗作用が十分機能しないような、一部の皮膚病や、発汗を抑える作用のある薬を服用しているときは、そのリスクが高まります。
熱射病は、急激な体温の上昇により心臓、肺、腎臓、肝臓、脳などの重要な器官に一時的な損傷、あるいは回復不能な損傷を与えます。 特に体温の上昇が41℃を超えると、各器官の機能が急激に失われ、急速に障害が進みます。場合によっては、死に至ることもあります。

熱射病の症状

めまい、ふらつき、脱力感、疲労、頭痛、眼のかすみ、筋肉痛、吐き気と嘔吐などの症状が現れます。特に注意が必要なのは、熱射病にかかっている人は体温の著しい上昇を感じないことです。
熱射病での外的な症状としては皮膚は熱く、赤くなり(顔が紅潮している場合が多い)、乾燥します。暑くても汗が出ません。この時点で、既に体温調整機能がマヒしています。 この状況を放置し症状が進むと脳の機能障害が起こるため、錯乱や意識障害、けいれん発作が生じたり、昏睡状態に陥ることもあります。
また、熱中症や熱射病の特徴として心拍数や呼吸数が上昇し、脈拍は浅く速くなります。血圧の上昇や低下もみられます。体温は触っただけで熱く感じる40℃を超え、普通の体温計(42℃)では測れないほどの高熱になることもあります。

診断

高熱や脳機能障害の症状と、高温多湿の環境にいたという事実がある場合は診断できますが、診断が確定できない場合は、感染症や脳卒中、甲状腺機能亢進症など、類似症状を起こす他の病気がないかも慎重に検査を行って調べます。

治療

熱射病の場合は、とにかく体を冷やし、救急車を呼ぶべきです。熱射病の特徴として、病状の急変があります。とにかく急ぎましょう。病院への搬送を待つ間は、あらゆる手段を使った体を冷やします。ぬらした寝具や衣類で体を包む、近くに湖や河川がある場合や、水の入った浴槽があれば、迷わずに入れる、氷水に体を浸すなどして冷やします。体に水分の霧を吹きかけて、扇風機で風をあて、気化熱で熱を奪う方法も非常に有効です。
この段階では、アスピリンやアセトアミノフェンなど、感染症による発熱を治療する解熱剤は効果がありません。
<関連記事:ロキソニンの効果が出るまでの時間は?
病院でも体温を下げることが第一に行われます。衣服を脱がせ、体を水に浸したり、氷で覆って急速に体温を下げます。気化熱を促進するために、扇風機で風をあてる場合もあります。体温を継続的に計測します。同時に静脈から冷たい輸液を投与することもあります。大体、体温が約39℃くらいまで下がったところで冷やすのをやめ、冷やしすぎないようにします。
けいれん発作や昏睡状態が続く場合や、脳以外の臓器の機能障害もある場合は、合わせてその治療も行われます。

注意が必要な人

熱射病による病状の急変から死亡するリスクが高く注意して容態を見守る必要があるのは、やはり、
•高齢者
•幼児
•他の病気(心臓や肺、腎臓、肝臓の病気など)の重症度はどの程度か
の人ですが、経過を見る場合や救急車を呼んだ場合でもその病状により処置も変わってきます。周りの人は、次のことを確認しておくことが必要です。
•どこまで体温が上昇したか
•極度の高熱がどの程度持続したか
異常な体温の上昇を経験した熱射病による生存者の約20%に後遺症がのこるといわれています。
<参考記事 熱中症の年代ごとの対処方法

熱射病の後遺症は?

脳の損傷が完全に回復せずに、人格変化、運動障害、協調運動不全が残ることがあります。
また、内蔵の特に腎臓が完全に回復せず、熱射病からの回復後も、体温が不安定な状況が何週間も持続することもあります。

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熱射病になりやすい人、なりにくい人

熱中症は、高温多湿な環境下で、強度の強い運動を長時間することで誰でも発症する可能性があります。また、先にも書きましたが、高齢者や子供も注意が必要ですが、体質により熱中症や熱射病にかかり易い人とかかり難い人がいることが最近の研究でわかってきました。

体温調節がうまくいかないのは、体内で発生する熱量が、体から発散する熱量よりも多くなる場合、体温上昇が起こります。普通の人の体温は、皮膚で計ると36.5℃程度、内臓や血液では37℃程度に調節されています。この血液の温度を脳で常に見張っており、体温の上昇を感知すると皮膚から発汗を行い、その汗が渇くときに皮膚より気化熱を奪うことで体温を下げます。
高齢者はなぜ熱射病にかかり易いかですが、加齢とともに、汗腺が減少します。
そのことにより、発汗作用が衰え、少しの運動でも、高温多湿の状況下では、体から熱量を放出できずに、熱疲労を引き起こし、その状況が続くと急速に熱射病につながります。
また、体質的に熱に弱い人がいます。
通常の運動や仕事で、体温があまり上昇しない場合は何も問題がないのですが、体温が40℃を超えると、細胞内のミトコンドリアで体のエネルギー源であるATP(アデノシン3リン酸)がうまく作れなくなる体質の人がいることが分かってきました。また、この体質(生まれ持った体の性質)が、遺伝子のタイプによって決められていることも分かってきました。こうしたタイプの遺伝子は日本人の13.9~21%が持っているとされます。
また、発症すると高熱が出るインフルエンザで、その高温で脳に障害が残る「インフルエンザ脳症」の患者さんのうち実に半数近くの46%がこの遺伝子を持っていたとの研究発表もあります。

◆まとめ◆

熱中症から熱射病に病状が変わったらとにかく体を冷やし救急車を呼ぶことが手遅れにならない唯一の方法です。
(関連記事:熱中症の応急処置を図解で解説(これなら分る!))
また、過去にインフルエンザなどの高熱の疾患を患ったときに、熱疾患や熱痙攣を経験したことがあれば、熱中症にかかり易い体質であることを自覚し、安全対策を万全にしましょう。
また、大量の汗をかいた場合に、水分だけを補給すると塩分などの電解質が汗とともに体から排出され、体内での電解質不足により神経伝達がうまくいかず、熱痙攣をおこすこともありますので、水分と同時に塩分や電解質をとることで予防していきましょう。

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